世界に数冊の希少本 ―『私家本』の魅力7

誰かのための本

不特定多数へ向けて大量生産する書籍と違い、私家本の対象とする読者はあなたが顔を思い浮かべられる相手です。

そのひとになにかを伝えたい――それが私家本をつくる原動力となるでしょう。

誰のために。

そしてなんのためにつくるのか。

これもまたさまざまな種類が考えられます。


○終活の一環として

 葬儀やその後の種種雑多な手続きで遺族が困らないように書き残すエンディングノートは、どちらかといえば実務的なものです。

 でも例えば、

・手料理のレシピ

・想い出アルバム

・自分がたいせつにしていたもの(例えば盆栽やペット)の世話の仕方、持ち物(切手などコレクション)の扱い方

そんなものを私家本としてまとめておけば、あなたの知識と経験を子供や孫へ伝えることができます。

特殊な趣味に関するものなら処分の仕方を教示するのはもちろん、その魅力を熱く語って、引き継いでくれるよう促す(誘導する?)ことも可能かもしれません。


いつかお別れする日が来ても、残されたひとびとがあなたを偲べるように。

きちんと製本された私家本だからこそ、あなたという家族の歴史を、世代を超えて語り継いでいくことができるのです。


○コミュニティでの情報交換

 お住まいの地域でサークルなどを運営しているかたもいらっしゃると思います。

 そうした仲間に向けた研究レポートの発行、または原稿を持ち寄っての会誌など、狭いコミュニティ内での情報交換やコミュニケーションにも私家本は役立ちます。

 ただ集まっておしゃべりをするだけではマンネリ化してしまう会合も、1冊の本を出すという目的があるだけで活気づくのではないでしょうか。

 また、その会誌を渡すことで新たな仲間が増えるかもしれません。


○フリーランスの営業ツールとして

 小さな名刺に載せられる情報は、そう多くはありません。

 今はウェブサイトをお持ちのかたも少なくないでしょうが、名刺にアドレスを記載しても、実際にアクセスしてもらえるとは限りません。

 でも自分のプロフィールやコメント、今までの実績などを私家本にまとめて相手へ渡せば、帰りの電車内などで見てもらえる可能性が高まります。情報の羅列でしかない名刺より、きっとあなたに興味を持ってもらえるでしょう。


 新しい学校や職場での自己紹介にも活用できそうですね!


○友達や家族との交流に

 日頃の感謝や、これからもよろしくという気持ちを伝えるためにも私家本は有効です。

 出会って○日目の記念として、今までケンカした原因と仲直りの方法をまとめてみたり。

 あるいは5年後の旅行のしおりなど。

 それこそ内容は千差万別。

 あなたとその本を贈られるお相手だけが意味を理解できればいいのですから、普通の本ではできないものも創り出せるかもしれません。


 また、結婚式、入学・卒業式、退職などの時事イベントに合わせて、想い出や抱負を1冊の本にまとめてみてもいいですね!

 

出版を、もっと気軽に、身近なものへ。
それもまた「私家本」だからこそ実現できる未来です。


私家本の魅力は、実は制作中にこそあると言えるかもしれません。

原稿をまとめている間、その本を渡す相手のことをずっと思い浮かべ、そして自分の心とも向き合うことができる。

その時間そのものに、価値があるのではないでしょうか。



写真提供:フリー素材サイトぱくたそ様

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